令和7年 新年のご挨拶
長門理事長 年頭挨拶
新年明けましておめでとうございます。
皆様には、健やかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年中、当院に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、職員一同心より御礼申し上げます。
昨年は元日に能登半島地震が発生し、翌2日には羽田空港において航空機の衝突事故が起き、新年より心の痛む災害や事故が続きました。また、8月8日には日向灘を震源地とする最大震度6弱の地震が発生し、9月21日には地震から復興途中の能登での豪雨災害など改めて災害の怖さを実感した1年でした。
その一方で、スポーツ界では大谷翔平選手がメジャーリーグで史上初の「50‐50」を達成し、世界中を沸かせたことは記憶に新しいところで、7月に開幕したパリオリンピックも日本人の活躍もあり大いに盛り上がり、明るい話題もありました。
長門グループの2024年を振り返ってみますと、医療法人では新病棟の開設、緩和ケア病棟の新規立ち上げ、回復期リハビリテーション病棟の増床、社会福祉法人では有料老人ホームの新規運営開始と多くの新しいことに取り組むことのできた1年でした。
長門グループとして、佐伯市の地域包括ケアシステムを支える医療、介護、福祉の提供体制が整ったと考えております。
職員ならびに地域の皆さまに支えられて、これらの事業を行えたことを改めて感謝申し上げます。
ただ、人口減少、少子高齢化が急速に進むこの地域で、今後も医療、介護、福祉サービスを提供し続けることは非常に大変なことで今後の人材確保は大きな問題となっています。
1日あたり2,323人──この数字は2023年の日本における自然減少数(出生数から死亡数を差し引いたもの)です。少子高齢化が顕著な佐伯市において人材不足は、「時間が解決してくれる課題」ではなく構造的な課題です。
年々深刻になる人手不足に対応するためには、グループ全体の業務の効率化は避けて通ることはできません。これを踏まえて、今年の長門グループの目標は「業務の標準化」としました。
業務の標準化とは、社員全員が同じ成果を出せるように業務の流れを決め、設定したルールに沿って業務を実施することを指します。一部の社員に業務が依存している状態(属人化)を解消し、職員の負担を軽減します。これにより、業務の効率化と安定した運営が実現でき、人材不足を克服し、強固な組織基盤を築くことができます。
人材不足は、一時的な課題ではなく、未来にわたり企業が直面する「長期戦」です。今こそ、組織として持続可能な成長のための土台を整える取り組みを進めていきたいと思います。
今年の干支は、「乙巳(きのと・み)」です。「乙」は困難があっても紆余曲折しながら進むことや、しなやかに伸びる草木を表しています。「巳」は蛇のイメージから「再生と変化」を意味します。脱皮し強く成長する蛇は、その生命力から「不老長寿」を象徴する動物、または神の使いとして信仰されてきました。
このことから、「乙巳(きのと・み)」は「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年になると考えられます。
近い将来発生すると予想される南海トラフ地震、毎年のように発生する大規模災害に当院が少しでも地域のお役に立てるように、今年は災害拠点病院の申請を進めてまいります。
2025年も長門グループの「困っている人を助ける」という基本理念を忘れずに、これまで以上に医療、介護、福祉の分野で地域に貢献できるように変化、成長できるように職員一同頑張ってまいりますので、本年も温かいご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
皆様方にとりまして、希望に満ちた明るい年となりますことをご祈念申し上げ、私からの年頭の挨拶とさせていただきます。
社会福祉法人双樹会理事長 長門 仁